手術紹介
- HOME
- 手術紹介
脊椎手術
内容準備中
関節鏡手術
当院では主に膝の関節内病変に対して関節鏡を用いて手術しています。関節鏡の利点は手術の際には1㎝以下の傷を2から4か所程度で行えるため侵襲が小さいことがあります。また通常の手術では観察困難な膝の深部や狭い隙間にもカメラを挿入することで観察や細やかな処置を行うことができます。欠点としては関節鏡の手技に慣れていないと手術時間が長時間にわたり合併症の危険性が高くなることや軟骨が欠損している症例では対応が困難なこともあることなどあります。軟骨がなくなり変形が強く進行した膝については関節鏡のみでの対応は困難です。
当院では主に半月板や前十字靭帯の損傷や膝関節の遊離体やガングリオン、滑膜ひだ障害(いわゆるタナ障害)などに対して関節鏡を用いて対応しています。
半月板(はんげつばん)
半月板は断裂形態によって縫合や部分的に切除する手術が行われます。従来は血流に乏しい部分の半月板の損傷に対しては切除術を行われていましたが当院では半月板を温存するために可能な限り縫合を行っています。血流が乏しく縫合しても治癒が難しいような半月板断裂に対しては半月板の治癒促進を目的に患者さんの骨髄から採取した血液からフィブリンクロットと呼ばれる血液の塊を作成し、これを関節鏡で観察しながら適切な部位に移植してから半月板の縫合を行っています。
半月板はアルファベットのCの字様の形をしており荷重を分散するための働きがあります。これをフープ機能と呼びますがこのフープ機能が失われると急速に変形が進行してしまうことがわかってきています。最近特に問題となっているのは膝の内側の後方で半月板が切れてしまう場合があります。典型的には階段を踏み外した、少し膝を捻ったなどの日常生活での動きでぷちっと何か切れたような感じを自覚した後に突然の強い膝痛が出現した場合に起こりやすいといわれています。この特殊な半月板の断裂(内側半月板後根断裂)は半月板が元来あるべき場所から外側に逸脱してしまい数か月のうちにフープ機能が失われると言われています。そのような症例では急速に膝の変形が進行するため半月板が逸脱する前に早期発見が必要となります。
しかし初期にはレントゲン検査では診断できないため見逃されることも多いと言われています。MRI検査をしないと診断が困難ですがMRI検査を行っても専門医でないと診断が困難な場合も多くあります。早期発見できた場合には関節鏡での手術で対応可能ですが半年以上経過すると人工関節を必要とするほど進行してしまうような患者さんもいます。そのような患者さんでは受傷直後は歩くのも支障があるほどの膝痛が特徴で、数週間続いた後にいったん疼痛は改善しますが数か月後に再度膝痛が出現し病院に再診した際には進行しており骨切り術や人工関節などの手術が必要になってしまう患者さんも多く存在します。当院にもそのような患者さんが多数受診されています。半月板断裂と診断されても断裂した半月板の部位や形態によって手術の適応は大きく異なりますので歩けないほどの膝痛を自覚された場合には専門医を受診した方が安心です。
詳細については宮崎日日新聞の生活情報誌にての連載コラムにて当院整形外科部長の三橋が執筆しておりますのでお時間のある方は参考にしてみてください。
前十字靭帯損傷(ぜんじゅうじじんたいそんしょう)
前十字靭帯の主な機能のひとつとして膝の前後や回旋の安定性があります。この機能がなくなると膝の不安定性が増大し将来的には二次的な半月板損傷や軟骨の損傷を来すと言われています。前十字靭帯を損傷した直後は腫脹や疼痛がありますが数週間すると日常生活には問題ない患者さんも珍しくありません。しかしながら膝が抜けるような感覚(膝崩れ)が残る方も多く長期的に考えた場合には将来変形性膝関節症への進行が危惧されるので一般的には手術適応であると言われています。特にスポーツを継続する若年者については手術の適応です。断裂した前十字靭帯を縫合してもその機能の改善は見込めないため自分の腱を採取して元来前十字靭帯があった場所に移植することで前十字靭帯の再建術を行います。
その際には膝関節の上の骨(大腿骨)と下の骨(脛骨)にそれぞれトンネル状に穴をあけてその中に採取した腱を移植して固定します。子供さんの場合には大人の骨になりきっていない場合があります。そのように骨端線が残存している場合には骨端性が閉鎖してから手術を行った方がよい場合もありますので主治医と手術を行う時期について相談していくことになります。
移植する腱に関しては膝を曲げるための腱(半腱様筋腱、薄筋腱)や膝を伸ばすための腱(大腿四頭筋腱、膝蓋腱)が用いられますが患者さんそれぞれの状況(性別、年齢、体重、スポーツ、合併症)に応じて最適なものを選択して手術を行っています。
前十字靭帯を損傷した場合には半月板の損傷を合併することも多く前十字靭帯再建術と同時に半月板の処置を行うこともあります。
前十字靭帯の術後は半月板断裂の合併の有無で術後の荷重制限の期間が異なります。
半月板縫合を行わず前十字靭帯再建術のみを施行した場合には4-5週間
半月板縫合を同時に行った場合には6週間
上記のように全荷重までに時間を要しますので松葉杖の使用が必要となります。
人工関節手術
関節を覆う軟骨は年齢の変化、外傷、炎症疾患などで徐々に少なくなっていきます。現在の医学では損傷した軟骨を再生させる治療は確立されていないため、軟骨損傷が起こった関節を人工関節に置換する治療が痛みをとる最も確率の高い治療法です。
膝関節(ひざかんせつ)
症状
膝関節の軟骨が減って出る症状は
(1)動き出しの痛み(立ち上がる時、座り込むとき、車を降りるとき、など)
(2)階段(特に下り)での痛み
(3)歩行の痛み
の3つが特徴的です。痛みで日常生活に支障が出てきた場合は、なんらかの治療が必要になります。
単顆人工膝関節置換術 - UKA(Unicompartmental Knee Arthroplasty)
膝の軟骨は内側→外側の順に損傷していきます(外側→内側の順で傷む場合もあります)。内側と外側が同時に損傷していくことは少ないため、損傷している側(単顆)だけを人工関節に置換する方法です。膝の靭帯、筋肉を全て残したまま軟骨の表面を置換する手術であり、「わかかりし頃の膝」に戻すのが目的です。UKAにはモバイルタイプとフィックスタイプの2種類があり、特にモバイルタイプは長期成績が良好であり、若年でも手術適応があります。宮崎県ではほとんど行われていない手術になりますが、当院では積極的に行っており、治療実績はこちらに示す通りです。
TKAに比べてUKAはメリットが大きいので、当院では可能な限りUKAで対応します。
人工膝関節手術
膝の人工関節には2種類の方法があります。
全人工膝関節置換術 - TKA(Total Knee Arthroplasty)
軟骨が内側も外側も損傷してしまっている場合は膝関節全体を人工関節に置換します。全国的に普及している一般的な方法です。インプラントは少しずつ進化しており、術後にできることが以前と比べて増えてきています。
UKAのメリット
・痛みが少ない
・生体膝により近い機能で、スポーツなど術後の運動制限が少ない
・満足度が非常に高い(スポーツ復帰できた、違和感がない など)
・入院期間が短い(通常2週間、最短1週間)
・リハビリ期間が短い(2週間入院すれば退院後のリハビリ不要)
・輸血不要(出血が少ない)
・合併症(感染症、血栓症、脳卒中、心血管障害 など)が少ない
・傷がTKAの約半分
・手術侵襲が小さく、高齢者(90歳以上)でも手術可能
・モバイルタイプは若年者(40代以上)でも靭帯の状態がよければ手術可能
手術までの流れ
まずは外来受診をしていただき、レントゲン検査と診察をおこない手術が必要な状態かどうかを判断します。まだ手術をしなくても痛みがよくなる病態であれば、筋力訓練、歩き方の矯正、減量の3つの治療をすることで、手術を回避できることがほとんどです。手術をしないとよくならない病態であれば、精密検査をしてどの手術の適応があるかどうかを判断します。手術方法と日程が決まったら手術、麻酔が問題なくできるかどうかを検査するとともに、歯科受診が必要であれば受診をしていただきます。また、手術適応がある患者さんには手術に関するパンフレットをお渡しします。手術のこと、入院前、手術、入院中、退院後の流れ、注意点などが詳しく書いてありますので、しっかり読んでいただくことで、この治療をスムーズに進めることができるようになります。
入院、手術、リハビリ
入院は手術日の前日になります。入院期間は平均してUKAが約2週間、TKAが約4週間になります。UKAは退院後の通院リハビリ不要ですが、TKAは退院後の通院リハビリが必要になります。
術後できるスポーツ
TKAではウォーキング、ゴルフ、グランドゴルフ、ゲートボール、ボウリング、サイクリングなどが可能になります。UKAでは上記に加えテニス、乗馬、バレーボール、ヨガ、剣道、野球などのスポーツまで許可しています。
泌尿器科手術
内容準備中







